あん摩マッサージ指圧師
独立開業にも有利なマッサージの国家資格
あん摩マッサージ指圧師の仕事と収入
あん摩マッサージ指圧師とは、中国から伝わった「あん摩」とヨーロッパで体系化された「マッサージ」を日本古来の「指圧」と合わせ、体系化した手技の使い手。
肩こりや腰痛、疲労などの不調を持つ人に対して、なでる・押す・揉む・叩くなどの手技を施す仕事です。 これらのマッサージを、医師以外で行うことができるのは、国家資格をもったあん摩マッサージ指圧師だけです。
あん摩マッサージ指圧師の職場は、病院の整形外科・理学療法科・リハビリテーション科や、個人の治療院など。介護施設で働いたり、スポーツトレーナーとして働くあん摩マッサージ指圧師もいます。
あん摩マッサージ指圧師の収入は、病院や治療院で月給18万~25万円ほど。 独立開業すれば収入はピンきりです。あん摩マッサージ指圧師は小さな部屋と施術台と小道具があれば開業でき、低資金でも開業しやすい資格です。 ただ、開業することと客がつくことは別。数ヶ月はお客さんがこなくても食べていけるように、予算組みはしっかりしておきましょう!
あん摩マッサージ指圧師の資格取得後のステップアップとしては、病院や治療院で経験を積んだ後に独立開業するケースが多いです。 その後は、柔道整復師の資格をとったり、民間療法を取り入れて施術の幅を広げたり、試験を受けて介護支援専門員(ケアマネジャー)になる道をあります。
これからの高齢化社会。あん摩マッサージ指圧師の仕事は高齢者のニーズが高い分野なので、将来性に注目されます。 しかし、手に職で定年も無く職業寿命が長いのもあん摩マッサージ指圧師の特徴。 若い人もどんどん出てくるので、地域によっては競争が激しいエリアもあり、事前の調査が必要です。
あん摩マッサージ指圧師のなり方・学校
あん摩マッサージ指圧師になるには、国家試験の受験資格を得るために、文部科学省認定の養成学校などで3年以上の勉強が必要です。 学費は3年間で300万~600万円ほど。4年制の大学でも受験資格を得れる学校もありますが、その分学費も上がります。
注意したいのは、入学する学校のカリキュラム。
あん摩マッサージ指圧師は、鍼師や灸師の資格と3セットで取得する人が多い(必要な単位がほとんど変わらず、将来の仕事の幅が広がるため)のですが、 カリキュラムによっては3資格の受験資格が得られない学校もあります。
もちろん、まずはあん摩マッサージ指圧師の資格をとり、必要に応じて鍼灸の資格をとる・・・という方法もあるので、自分が行きたい学校と取得できる資格についてきちんと調べておきましょう!
あん摩マッサージ指圧師の資格
あん摩マッサージ指圧師は、鍼師や灸師の資格といっしょに取得するケースが多いため、まとめて「鍼灸あん摩マッサージ指圧師」と分類されることがあります。
本当は医師になりたいけど難しそうだから、鍼灸あん摩マッサージ指圧師に…という方もいますが、医師と鍼灸あん摩マッサージ指圧師では学習する内容が全く違います。 鍼灸あん摩マッサージ指圧師は学問体系や効果が確立していないため、それこそ、師の数だけ施術法があります。
医師とは種類のちがう奥の深さや勉強の難しさがあり、それがおもしろかったりもするのですが。。。 とにかく、医師と鍼灸あん摩マッサージ指圧師では、学習する内容だけでなく、収入や法的な権限も全くちがうので、自分が何を学び、何になりたいのかをしっかり考えて資格を選びましょう。
必ず出てくる法律の問題
あん摩マッサージ指圧師は国家資格で、資格がないものが生業にできない独占業務資格。開業権もあり、国家資格がないと治療院と名乗って開業することもできません。
つまり、手技を使ったあん摩・マッサージ・指圧は、「あん摩マッサージ指圧師」や「医師」の国家資格がないと仕事にできないのです。 しかし、実際には「リラクゼーション」や「整体」と呼んで無資格で施術をしているところが多くあります。
あん摩マッサージ指圧師は国が認めた国家資格である一方で、守らなければならない多くの規制もあります。 一方、整体師、カイロプラクター、リフレクソロジスト、アロマテラピストなどの民間資格は、国が認めた「医療」ではなく、法規制の枠外にあるため、ある意味自由に仕事をしており、法に関してよく議論が交わされています。