ホームヘルパー(介護職員初任者研修)
お金よりやりがいの高齢者支援サービス
ホームヘルパーの仕事・収入
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ホームヘルパー2級の資格は、平成25年度(2013年度)4月より「介護職員初任者研修」へ移行されました。すでにホームヘルパー2級の資格を持っている場合は、介護職員初任者研修と同等の扱いとなります。
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現場で働くホームヘルパーの収入は、正社員の初任給で15万円ほど、パートの時給で1,000円ほどです。常勤の仕事としてはけっして高い給料とは言えないため、家族を養うことができずに転職を考える男性もいます。 経験を積み「ホームヘルパー→介護福祉士→ケアマネージャー」というように計画的にキャリアアップしていけば、収入面での心配をなくすことができます。
逆に主婦のパートとしてのホームヘルパーの時給は魅力的です。ホームヘルパーは時間の融通がきくことや、家事の経験を活かせることからも女性に人気があります。
ホームヘルパーの就職先は、社会福祉協議会や在宅介護支援センター、民間の福祉サービスの企業などに分かれます。 ホームヘルパーの仕事は基本的には利用者の家への派遣業務となりますが、責任者として各ヘルパーを統括したり、事務処理をするといったデスクワークもあります。
ホームヘルパーの仕事は、体力・話力・思いやりの必要なサービス業に似ています。またホームヘルパーとして身につけた技術のすべてが、身近な両親や自分、配偶者の生活に役立てることができます。自分の経験を仕事に活かすこともできるので、ホームヘルパーは実務経験と人生経験がリンクする仕事だといえます。
ホームヘルパーとは何か?
ホームヘルパーとは、日常生活を送ることに支障がある高齢者や障害者の生活を、肉体的・精神的にサポートする仕事です。利用者の家庭に訪問するケースが多いため、「訪問介護員」と呼ばれることもあります。
ホームヘルパーの提供するサービスは主に、身体介護と生活援助に分かれます。
身体介護
食事・歩行・排泄・入浴などの身体に触れる介助。体温や血圧や脈拍の測定といった医療行為に近いことをすることもある。
生活援助
掃除・洗濯・調理・買い物などの日常生活の援助。
ホームヘルパーの仕事は公的サービスであり、その目的は「自立支援」です。 サービスにかかる費用は介護保険の中からまかなわれ、利用者の自立を援助するためのサービスプログラムが組まれます。
ホームヘルパーはお手伝いさんではありません。利用者の要求に応えることだけが仕事ではないのです。しかし、このサービスの度合いはとても難しいものです。
利用者の方には「どこまで頼んでいいのか」「そんなこともやってくれないのか」という疑問や不満が生じます。 またホームヘルパーの方には「もっとやってあげたいけどサービスの枠を超えている。自分がやってしまうと他のヘルパーさんに迷惑をかける」というジレンマが生じます。
この不満やジレンマは、ホームヘルパーという仕事の内容が世間に理解されていないことに原因があります。これからの少子高齢化社会を迎えるに先立ち、もっとホームヘルパーという仕事の理解を広める努力が必要でしょう。
ホームヘルパーの資格
ホームヘルパーの資格は、国の官庁や大臣が認める公的資格です。ホームヘルパーの資格レベルは1級~3級に分かれます。
ホームヘルパー資格の3級と2級は誰でも取得できますが、1級は2級取得後1年以上の実務経験か、所定の学校で必要な科目を修了する必要があります。1級は実務経験がないと取れないので、2級の資格までを取得してから実務に就く人がほとんどです。
ホームヘルパーの資格の特徴としては、認定試験がないこと。規定時間数の講習を受ければ無試験で認定証がもらえます。 この点については議論もあります。試験がないということは時間さえ費やせばどんな人でも資格が取れるということであり、ホームヘルパーの質を下げる可能性があるからです。 しかし、けっして楽ではないホームヘルパーの仕事。質の低い、向上心のない人は続けることなんてできません。
実際の講習時間は以下のとおりです。
ホームヘルパー3級
【講義25時間+実技講習17時間+実習8時間=合計50時間】
基本的な福祉知識と家事援助を学習します。
ホームヘルパー2級
【講義58時間+実技講習42時間+実習30時間=合計130時間】
基本的な介護技術・身体介護を学習します。
ホームヘルパー1級
【講義84時間+実技講習62時間+実習84時間=合計230時間】
本格的な介護技術とチームケアでのマネジメントを学習します。
ホームヘルパーのなり方・学校と講座
ホームヘルパーの資格を取得するには、指定の養成講習を受ける必要があります。ホームヘルパーの養成講習は市町村が行う行政系のものと、専門学校や通信講座などの民間系のものがあり、一般に行政系の方が料金は低めです。行政系の講習については、役所に問い合わせたり、市の広報を見てみましょう。
民間系のものは料金は高めですが、時間に融通がきいたり、短期間で資格が取れたり、介護福祉士の資格とのWライセンスがねらえたりというメリットがあります。
実際は、行政系の講習は競争率が高いため受講できず、ニチイ学館などの民間系の講習で学ぶ人が多いです。