司法書士
活躍のフィールドが広がる第4の法曹
司法書士とは
司法書士とは法的な書類作成の専門家。
主な仕事は、登記業務と裁判業務である。
登記とは一定の情報を公の帳簿に記録する業務で、司法書士の場合、不動産登記と商業登記が主な仕事になる。
また2002年から、司法書士に簡易裁判所での起訴代理権が認められるようになり、司法書士も弁護士のように依頼人の代わりに法廷に立つことができるようになった。
これからは裁判業務のフィールド拡大が予想され、司法書士は裁判官・検察官・弁護士に次ぐ第4の法曹として注目されている。
また、痴呆性高齢者などの財産を管理する成年後見制度に伴う業務や、近頃頻発するサラ金やクレジット問題の専門家など、司法書士は街の法律家としての活躍に期待されている。
特に弁護士の少ない、地方での需要が高い。
ただ、最近では不況の影響やインターネット上の情報を利用し、司法書士に頼まず、自分で手続きをすすめる人が増えていることも事実。
起訴代理権の獲得や申請のオンライン化などにより、司法書士の業務内容も変わってくるだろう。資格を取ったら終わりではなく、日々の勉強、そして、営業力が大切な仕事である。
司法書士の仕事と収入
日本司法書士会連合会が発表している、司法書士の平均年収は1,400万円。
しかし、実際には年収1,000万円前後の人が多いと言われている。
司法書士の仕事は、司法書士の資格取得後に司法書士事務所に就職するケースが半数を占める。残りの半数は、独立したり、行政書士などの資格を持つ人とともに共同事務所を開いたりしている。
司法書士として独立する場合、都心には弁護士や司法書士などの同業者が多いため、地方での開業の方が仕事をみつけやすだろう。
司法書士のなり方・学校と講座
司法書士の資格は国家資格だが、受験資格に年齢や学歴などの制限がないため誰でも受験が可能である。また毎年、司法書士試験合格者の半数は法学部出身以外の人が受かっており、門戸の広い資格試験といえるだろう。
しかし合格率は3.5%の難関資格。司法書士資格の取得までにかかる平均期間は3年ほどだが、中には1年で受かる強者もいる。司法書士試験は試験範囲がとても広いため、スクールに通う人がほとんどだ。
なお、試験内容は各種法学の問題で、7月に筆記試験、10月に口述試験がある。口述試験ではほとんど落ちないため、司法書士試験の合否は筆記試験にかかっている。