中小企業診断士
ビジネス能力を磨ける国家資格。税理士や社労務士とのWライセンスとしても人気。
中小企業診断士の仕事と収入
中小企業診断士とは、中小企業の経営指導や補助金・融資のための経営チェックをする仕事です。国家資格ですが、メインの仕事となる「経営コンサルティング」が独占業務ではないため、この資格一本で独立開業するのはとても大変です。
そのため、中小企業診断士の80%以上が、コンサル会社や銀行などの一般企業か、役所に勤めています。大手企業の社員が資格を取得するケースも多いのですが、取得後に独立・転職するというケースは稀で、「中小企業診断士の資格をとったけど、何も変わらなかった」という声をよく聞きます。
中小企業診断士が勤めている企業が、大手の場合が多いこともあり、収入は年収500~1000万円くらいが目安となります。独立する場合は、経営コンサルティングだけでなく、スクール講師やセミナー講師、執筆活動など、幅広い業務を扱う人が多いです。
中小企業診断士のなり方・学校
中小企業診断士になるには、国家試験に合格する必要があります。受験資格はありませんが、5年後との更新が義務付けられています。
働きながら取得する人が多いですが、独学で合格するのは難しく、夜間や休日の専門スクールを利用することをおすすめします。
中小企業診断士の資格
中小企業診断士が行う、「中小企業の経営指導や補助金・融資のための経営チェック」といった仕事は、もともと公務員の「診断員」が行っていました。しかし、企業数の増加とともに手に負えなくなり、民間の人材を投入する目的で国家資格として創設されたのが中小企業診断士という資格です。
そういった経緯もあり、中小企業診断士はサムライ資格(士がつく国家資格)の中では異質です。メインの仕事となる「経営コンサルティング」業務が、独占業務ではないのです。経営コンサルティングは無資格者でもできますし、税理士や弁護士がクライアントへのサービスとして行うこともあります。
よって、国家資格とはいえ、中小企業診断士の資格を取得したからといって、安定した仕事があるわけではありません。独立や転職の武器としては弱く”ペーパー診断士”となっている有資格者も少なくありません。
とはいえ、中小企業診断士も国家資格のはしくれ。税理士や社会保険労務士などとのダブルライセンスで仕事に活かしたり、ビジネス能力を高めるための自己啓発としての資格としては最適という意見もあります。